ガムラン・ガンバン・クロボカン:バリ島に息づく、かけがえのない伝統音楽
Bali Note(バリノート)
2025.5.16
📝ガムラン・ガンバン・クロボカン:バリ島に息づく、かけがえのない伝統音楽
バリ島に伝わる伝統音楽「ガムラン・ガンバン」は、その音色や演奏方法で他のガムラン音楽とは一線を画す、非常に特別な存在です。この記事では、ガムラン・ガンバンがどのようにしてクロボカン地区で守られているのか、またその音楽が持つ深い文化的背景について紹介します。さらに、この貴重な伝統が現代において直面している課題と、その保存の重要性についても触れていきます。
ガムラン・ガンバンは、バリ島に古くから伝わる伝統音楽のひとつです。
主に竹で作られた板を専用のバチで叩いて演奏する、非常に珍しいスタイルを持っています。クロボカン(バリ島南部、人気エリアのスミニャックやチャングーに近い場所)では、今もなおこの貴重な伝統が大切に守られています。
バリ島では、観光地のホテルや舞踊公演などで、金属製の鍵盤楽器を使った華やかなガムラン演奏をよく目にします。
これらは主に、観光客向けのダンスショーやイベントで演奏される、にぎやかでリズミカルなスタイルのガムランです。
一方、ガムラン・ガンバンは、それらとはまったく異なる存在です。
一般的なダンス公演用の音楽ではなく、主に火葬の儀式「ンガベン」や、祖先を敬う「ピトラ・ヤドニャ」といった宗教儀式のために演奏される、神聖で静かな響きを持つ音楽です。
その一音一音には、祖先たちへの祈りや、自然・神聖な存在への深い敬意が込められています。
クロボカンにある「サンガル・セニ・ナラダ・ギタ」では、
こうした伝統を次の世代へ伝えるため、地元の人々が中心となり、後継者の育成に力を注いでいます。地域にとって、ガムラン・ガンバンは単なる音楽ではなく、暮らしと精神文化を支える大切な宝物なのです。
しかし今、ガムラン・ガンバンは大きな課題に直面しています。
現代の若者たちの多くが、ポップミュージックや現代的なライフスタイルに引かれる中で、伝統文化に関心を持つ人が少なくなりつつあるのです。
この問題は、バリ島だけに限ったことではありません。
世界中で、古くから受け継がれてきた文化や芸術が、近代社会の波に押され、少しずつ姿を消していっています。
長い年月をかけて磨かれ、守られてきた「人類の宝物」が、目の前で静かに失われてしまう──そんな不安や恐れが広がっているのが、今の現実です。
だからこそ、今を生きる私たちには、これらの文化を「過去のもの」として手放すのではなく、きちんと守り、育み、未来へとつないでいく使命があります。
ガムラン・ガンバンの竹の音色に耳を傾けるとき、
そこには、単なる音楽を超えた、人々の祈り、自然への感謝、そして時代を超えて生き続ける魂の響きが、確かに息づいていることに気づかされるはずです。
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